サプリで腸内環境の改善

腸内環境の改善をして心を安らかにしましょう

バイオティクスの補充が腸内環境改善の要

これまで腸内環境を改善するために、食事や生活サイクルを見直すことが重要であることをお伝えしてきました。
しかし、実際には仕事も含め生活環境を変えるのが難しい場合もあるでしょう。そんな方にはサプリメントで腸内環境を改善することをおすすめします。

 腸内で善玉菌が優位になる環境を作り出す成分は大きく分けて二種類あります。一つ目は直接体内に善玉菌を取り入れる方法で、これらの成分を「プロバイオティクス」と言います。

もう一つは腸内にもともとある善玉菌を活性化させる方法で、こちらを「プレバイオティクス」と言います。 

それぞれのバイオティクスは、単独で摂取しても充分効果が期待できます。さらに、二種を併用することで、より効果を発揮します。また、プロバイオティクスは体内に取り入れた後、2週間程度で消費・排出されるため、継続的に摂取するように心掛けましょう。

プロバイオディクス

数々のバイオティクス

有胞子性乳酸菌について

腸管内で発酵し、乳酸を作り出す菌を乳酸菌と言います。一般の乳酸菌は熱や酸に弱く、胃液で死滅してしまい、なかなか腸まで到達できません。その中で、胞子を形成し、酸や熱・乾燥に負けず、腸まで到達することができる菌が有胞子性乳酸菌です。

この菌は緑麦芽から発見されました。1gに50億個以上もの有胞子性乳酸菌が生息しています。

腸内環境を改善する目的では1日あたり約1~2億個の摂取が推奨されています。特定の食材に多く含まれているとの報告はないため、有胞子性乳酸菌配合ヨーグルトやサプリメントなどによる摂取が必要です。

ビフィズス菌

糖を分解して、乳酸以外に酢酸も作り出す菌がビフィズス菌です。酢酸には強い殺菌力があり、腸内の悪玉菌を減らす作用があると考えられています。また花粉症やアトピー性皮膚炎の症状を緩和したり、脂質代謝を改善することが報告されています。

乳酸菌同様に大半が胃酸で死んでしまいますが、BB536株など腸管まで生きて届くビフィズス菌も存在します。
ビフィズス菌の種類により異なりますが、BB536株の例では約20億個(ヨーグルト100g)の摂取で整腸作用が認められています。

ビフィズス菌配合ヨーグルトやビフィズス菌カプセル、顆粒状のサプリメントにより摂取が可能です。

ラクトフェリン

哺乳類の乳に含まれるタンパク質。主に脱脂乳や乳清に多く含まれており、ナチュラルチーズにも含まれています(100gあたり100mg程度)。ラクトフェリンは胃液で分解された際に「ラクトフェリシン(R)」を作り出し、これが悪玉菌の増殖を防いでいます。また、ラクトフェリンには悪玉菌を減少させるだけでなく、善玉菌であるビフィズス菌を増やす働きが知られています。
体調に応じて一日100~600mgの摂取が目安になります。

腸内環境を改善するためには、毎日継続して飲むことが重要です。また、オリゴ糖やビフィズス菌と同時に摂取することで、より効果的であると考えられます。

乳酸菌生成エキス

国産大豆を使用した豆乳で、16種類の乳酸菌を1年間発酵熟成させ、有用成分だけを抽出したエキス。胃液で分解されず腸内の善玉菌を増殖させる効果があります。飲用後には、ビフィズス菌が約3倍増えたという結果が出ています。また、便通改善・免疫細胞の活性化・肌のキメ向上などの効果が確認されています。

腸内環境を改善する目的では原液換算で2mL、より多く飲用することで免疫賦活や便通改善などの効果が得られます。最近の研究では肌のハリなど美容面での効果が実感できたとの臨床結果があります。

腸内環境を改善する第三の成分

上記で紹介した成分以外にも、オリゴ糖やデンプンはビフィズス菌の栄養源となります。また、食物繊維は善玉菌の繁殖培地となることが知られており、これらも一種のプレバイオティクスです。

 近年、腸内細菌のバランスを整えつつ、腸管から吸収されることで生体機能を直接向上させる機能性成分について研究が進められています。乳酸菌生成エキスもその一つで、これらの機能性成分は「バイオジェニックス」と呼ばれています。

最近では乳酸菌の腸内改善作用も、このバイオジェニックスによるものだろうと考えられています。糠漬けや味噌などの発酵食品が代表的成分とされていますが、フラボノイドや種々の抗酸化物質の中にもバイオジェニックスとなる可能性があります。

 腸内環境改善のためのサプリメントを選ぶ際には、プレバイオティクス・プロバイオティクス・バイオジェニックス、それぞれをバランス良く摂取すると効果的です。