HRT(ホルモン補充療法)を受けると乳がんになる?!

心と身体がゆらぎがちな40代女性が大注目するスーパーイソフラボン、「エクオール」。毎日を健やかに、穏やかに過ごす強い味方になってくれるんじゃないか、とすごく期待されていますよね。私自身、40代後半になって、今まで感じたことのない心身の不調が進行中。これはきっと女性ホルモンが減ってきているせいかも・・・。
エクオール、試してみよう!と思っています。

ということで、どこのエクオールサプリメントがいいかな?さっそく、サプリメントメーカーのホームページを色々と覗いているのですが・・・
ひとつ、気になることがあるんですよ。
サプリメントメーカー(製薬会社)のホームページに掲載されている口コミ(お客様の声)や、エクオールサプリメントを勧めている方のブログに、必ずといっていいほど書かれている一文があるんです。

「更年期障害のつらい悩みには、エクオールサプリメントがおすすめ!ホルモン補充療法は乳がんになるから絶対にダメ!!」

これって、本当に本当なんでしょうか。ホルモン補充療法を受けると乳がんになるって、根拠はあるのかな?気になったので、調べてみました。

HRT(ホルモン補充療法)と乳がんの発生リスクについて

実は、「HRTを受けると乳がんの発生リスクが増える」というのは2002年に発表されたアメリカのWHI報告の話。もちろん、その当時は真実と思われていたのですが・・・

2002年以降、HRTと乳がん罹患率についての研究が進んで、HRTを受けた女性の膨大なデータが蓄積され、解析されました。その結果、「HRT使用が5年以内では乳がんのリスクはない」というのが世界の基本的認識となってきたんです。
2012年に日本女性医学学会と日本産科婦人科学会が出した『ホルモン補充療法ガイドライン』では、5年以内のHRT 利用では乳がんのリスクが上昇することはなく、さらに黄体ホルモンを併用すれば子宮体がんのリスクも上昇しないと明言しています。

 ただし、HRTを5年以上続けた場合には乳がんのリスクは少し上昇するので、定期的な乳がん検査は必要とのこと。もちろん、これはHRT利用の有無にかかわらず40歳以上の全女性に必要な検査ですから、私も1年に1度受け続けています。

HRT(ホルモン補充療法)の使用が5年以内なら乳がんリスクは上昇しない

残念なことに、日本では今でもHRT(ホルモン補充療法)の乳がんリスクを過剰評価し、更年期の辛い症状を我慢しつづけている方もいるようなんです。我慢するのが美徳、という時代でもないんじゃないかと思いますけど・・・
アメリカでの乳がん発生率は1万人中30人ですが、HRTを5年以上受けている人に限ると1万人中38人になったそうです。でも、この数字は、航空機のキャビンアテンダントの乳がん発生率が5倍(1万人中150人)、喫煙者の肺がん発生率が29倍になるのに比べたら、ごくわずかな数字ですよね。また、日本の乳がん発生率は欧米諸国に比べて約四分の一しかない上に、厚生労働省の研究によるとHRTを受けている人はむしろ乳がんの発生が減少したと報告されています。

冷静に考えて、科学的な判断も大切です

エクオールの良さは私も認めていますが、それを盲信し、冷静な判断ができなくなってしまうことは避けたいなと、改めて思いました。サプリメントは、あくまでもサプリメントです。更年期の辛い症状に悩んでいる女性の皆さん、まずは婦人科を受診して、信頼できるドクターに相談してみてくださいね!