しわ対策は保湿から

日々の丁寧なスキンケアが若肌キープの基本

真の保湿は肌内の水分確保から

シワ対策の第一歩として、肌の乾燥を防ぐこと・肌の保湿が重要であることがわかりました。
一般的な保湿剤には、角質層の水分の蒸発を防ぐ役割と、肌に浸透した水分を蓄える役割とがあります。

ほとんどの化粧品は美容成分を綺麗な水に溶かしているので、使うだけでも水分が肌に浸透していきます。ただし、ヒアルロン酸やセラミドのような皮膚内に水分を蓄える成分の働きが弱くなると、肌の表面に充分な水分が回らず、乾燥が早まってしまいます。「保水力を上げる」とは、この水分を皮膚内に蓄えておく力を高めることです。

最近では、サプリメントとしてヒアルロン酸やセラミドを摂取して、肌水分量が上がるというエビデンスが出てきました。これからは化粧品に加えて、サプリメントも上手く取り入れながら、より効果的な保湿ケアをしていきましょう。

シワ対策にGood

内側から保湿力を補強サプリメントによる効果

2大保湿成分と言われているヒアルロン酸やセラミドは、サプリメントとして補うことが可能です。
今まではどちらの成分も体内で消化・分解されてしまうと思われていましたが、継続的に飲むことで保水力が上昇し、保湿効果を得られることがわかりました。
真皮と表皮、それぞれ作用するポイントが異なるので、どちらも摂取するように心がけましょう。

みずみずしさの源はヒアルロン酸から

鶏冠や魚の鱗に多く含まれるヒアルロン酸は、真皮内でコラーゲンとエラスチンの隙間を埋めています。
その保水力は、1gで最大6Lの水分を吸収するほど。 「ムコ多糖類」と呼ばれる成分の1つで、関節痛の改善のために使われてきました。
サプリメントにより肌の水分量が増加したとの実験結果から、1日150mg 程度を補給することが推奨されています。

ヒアルロン酸

セラミド補給で敏感肌を改善

米ヌカやコンニャク芋に多く含まれるセラミドは、角質層の細胞間脂質に約50%含まれる成分で、肌表面のバリア機能を担っています。
化粧品にも使われていますが、サプリメントで補うことも重要です。
乾燥肌や敏感肌に対し、サプリメントを摂取し改善された研究結果があり、アメリカでは1日60mg程度の摂取が推奨されています。

セラミド

化粧品は成分の大半が保湿成分で作られる

ゲルやクリームのような化粧品基剤(化粧品を構成している、もとになる原料)には保湿成分が含まれています。
さらに、より保湿効果が高い機能性成分の探索と開発が日々進められています。

 

ヒアルロン酸よりも保湿力が高いPGA

ヒアルロン酸は保湿力アップ成分として非常に知名度が高いですが(ラシャスリップスなんかはクリニックでも非常に人気です)が、植物エキスや脂溶性ビタミンなどの溶剤として配合されているグリセリンやPG(プロピレングリコール)・B G( ブチレングリコール)は、保湿効果も備わっています。 また、製品の滑りや伸びを良くするほか、ヒアルロン酸との相乗作用で保湿力が高まるとの報告もあります。
これらは肌への刺激が極めて少なく、古くから使用されています。

近年、ヒアルロン酸よりも保湿効果が高い成分として、PGA(γ―ポリグルタミン酸)が注目を浴びています。 納豆のネバネバを生み出している主成分で、N M F( 天然保湿因子)の産生を促す効果についての研究も行われています。PGAは肌への浸透力も高く、保水力もヒアルロン酸の9 倍あると言われています。

PGA

保湿のデータグラフ

※左図「▲北海道大学の研究グループは、ヘアレスマウス(毛の生えないマウス)
の皮膚の乾燥度合いを調べた。( B )のグラフは水分蒸発量を測定しているため、グラフが低いほど保湿性が高いということになる。」参考文献:Kiyomi T. et al. J. Dermatol. Science. ; 44: 101-7.(2006)

※右図「▲2008年、アメリカ生物社会医学研究所から、ヒアルロン酸を経口摂取
した際の体内循環についての発表。ヒアルロン酸摂取10数分後から肌の水分量が増加し、その効果は約2日継続した」参考文献:KBalogh L. et al. J. Agric Food Chem