紫外線から目を守る「UVカットサングラス」

どうしてサングラスが必要なの?~紫外線が目に与える悪影響とは~

太陽の光は何よりも幸せ!と言いたいところですが、私にとってはいいことばかりではありません。
「太陽を直接見ると、くしゃみが止まらない・・・」
「お天気のいい日に数時間外にいると、頭がズキズキ痛くなる・・・」
「強い陽射しの下にいると、目がチカチカして、疲れてしまう・・・」

どうしてなのかな?こんな症状が出るのは私だけなのかな?そう思って調べてみたら、不調の原因は太陽光に含まれる紫外線で、同じように悩んでいる方も多いことが分かりました。紫外線の悪影響といえば日焼けが真っ先に思い浮かびますよね。でも、私のような人には、紫外線の悪影響が全身に出るのです。

紫外線とは?

紫外線が目に与える影響
まずは、紫外線とは何か?おさらいしましょう。
太陽の光は、波長の長い順に「赤外線」、「可視光線」、「紫外線」の三種類に分類されます。紫外線の中でも波長が長いのがUVA(紫外線A波)、短いものがUVB(紫外線B波)です。

UVA

太陽から届く紫外線の9割はUVA。肌の真皮層まで届き、ハリ・弾力を低下させシワの原因になる「光老化」を起こす。

UVB

量は少ないが力が強く、サンバーン(肌に炎症を起こす)やサンタン(肌が黒くなる)を引き起こす。目に当たると角膜の上皮を傷つけ角膜障害を起こす。

紫外線が目に与える悪影響

目に炎症を起こす

角膜障害
紫外線(UVB)を浴びることで角膜の表面に小さな切り傷がたくさん付いてしまいます。目が充血したり、チクチクと痛みを感じたり、目を開けているのも辛くなったりします。
白内障
水晶体に長年の紫外線が蓄積すると起こる、目の病気。透明度と柔軟性がなくなって白く濁り、視界がぼやけたり、物が見えづらくなったりします。最悪の場合は失明する危険性も。
黄斑変性
水晶体で吸収しきれなかった紫外線が網膜に到達して、網膜の中心にある黄斑が傷つけられてしまった状態。輪郭がはっきり掴めないなど、ものが見えにくくなります。
瞼裂斑、翼状片
白目の部分が黄色く盛り上がってきたり(瞼裂斑)、黒目の角膜の方へ白目の結膜がせり出してきたり(翼状片)する状態。視界が狭くなってしまいます。
日光過敏症(紫外線アレルギー症状)
紫外線が目に入ると、アレルギー反応が起こることもあります。目の充血、異物感、目のかゆみのほか、頭痛、発熱、吐き気など全身症状が出ることも。
日焼けの原因に
紫外線が目に入るだけでも日焼けします。紫外線によって目の細胞が傷つけられると脳が陽射しの強さを察知し、陽射しから体を守るためにメラニン色素を作るよう命令を出すので、日焼けの状態になるのです。

●このような悪影響から目を守るためにはUVカット機能(紫外線防御機能)のついたサングラスをするのが一番。私もサングラスを3つ持っていてTPOに応じて使い分けています。帽子や日傘よりも紫外線カット効果がだんぜん高いので、手放せません。もちろん、UVカット機能付きの伊達メガネなどもよいです。

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紫外線が原因で起こる目の病気 ~角膜障害、白内障~

目の構造
紫外線は強力なエネルギーを持つ「電磁波」の一種です。紫外線が当たったところには様々な化学反応が起こります。皮膚に当たると日焼け(サンバーン、サンタン)を起こしますし、目に当たれば目の網膜や水晶体に悪影響を与え、眼病の原因に。長い間、紫外線を浴びている人ほど眼病が出やすくなります。予防のためには、紫外線を防御するサングラスを着けて目を守ることが一番だということが、最近よく分かってきました。私ももっと若い頃に知っていたら良かった!!と今になって後悔しています。

膜障害
よく晴れた日に数時間ほど屋外にいると、目が充血する、まぶしい、目が乾燥する、涙が出るということはありませんか?これは紫外線B波によって角膜の表面に細かい傷が付けられてしまった、「角膜障害」と呼ばれる状態です。ゴーグルをしないでスキーをしたときになる「雪目」と同じで、「目の日焼け」と言われることも。

角膜は黒目と呼ばれる部分(眼球)を覆っていて、眼球を保護すると同時に凸レンズとしても機能する大切な部分。コンタクトレンズの不適切な使用で起こる角膜障害は傷が深く、最悪の場合は失明することもありますが、紫外線による角膜障害は傷が浅いので、点眼薬で治療するとほぼ数日で治ります。

白内障
WHO(世界保健機関)の発表では、水晶体が原因である白内障の約20%は紫外線によるダメージが影響していると言われています。紫外線は目の角膜を透過し、水晶体という凸レンズで吸収されます。水晶体は本来、無色透明で濁りがなく、やわらかな形状をしています。白内障とは、水晶体に長年の紫外線が蓄積し、その影響で水晶体を構成するタンパク質が変質し、灰白色や茶褐色に濁ってしまう眼病のこと。視界がかすむ、物がぼやけて見える、まぶしくてよく見えないといった症状が起こり、最悪の場合失明することも。白内障は薬で治すことができないので、治療方法は手術をすること。日本では60歳代の70%、80歳以上のほぼ100%が白内障と言われています。
黄斑変性症
水晶体で吸収しきれなかった紫外線はさらに奥にある網膜にも届き、悪影響を与えます。網膜の中心にある黄斑は紫外線を受けると活性酸素が発生し、視神経を構成するタンパク質や脂肪が酸化し、変性してしまいます。これが黄斑変性症です。見ようとするところがぼやけて見えにくくなります。レーザーによる治療が一般的ですが、レーザーで網膜を傷つけるリスクがあるので注意が必要です。
瞼裂斑
紫外線の刺激が原因で、結膜(黒目の横の白目部分)に、黄色く盛り上がった斑点が出るのが、瞼裂斑(けんれつはん)です。炎症を伴う場合は、充血して赤い色になります。通常は抗炎症点眼薬や抗生剤点眼薬での治療で治ります。
翼状片
瞼裂斑がさらに進行したのが翼状片(よくじょうへん)です。黒目の角膜の方へ白目の結膜がせり出してくる状態で、視界を遮ってしまうので視力が極端に悪くなってしまいます。抗炎症性の点眼薬で治療するほか、手術で切除することもあります。

紫外線カットメガネ

  • 強い陽射しを浴びると、目がチカチカする。
  • 直射日光の下にいると、頭がズキズキして偏頭痛が起こる。
  • 太陽光をまともに浴びていると、目がショボショボする。

それは、太陽光に含まれる紫外線のせいかもしれません。
紫外線は、肌を日焼けさせるだけでなく、目に入ると眼精疲労の原因に。さらに、網膜を傷つけ、白内障のリスクを増大させることも分かっています。オゾン層の破壊など

で紫外線量が増えている現代は、紫外線から目を守ることはとても大切なこと。
 出かけるときには紫外線カット効果のあるメガネやサングラスを携帯するのが当たり前の時代になってきています。

紫外線は一年中降り注いでいる

紫外線対策は夏だけで十分!と思っていませんか?
実は、紫外線は季節に関係なく一年中降り注いでいます。紫外線量が一番多いのは6月だと知っていましたか?春もまだ遠い2月から徐々に紫外線量が増え始め、6月にピ

ークを迎え、10月までは予防が必要だと思っていた方がいいでしょう。年間を通じて紫外線カット効果のある化粧下地を使うのが当然になっているように、紫外線カット効

果のあるメガネ(またはサングラス)にも一年中出番があります。

紫外線カット効果は数値で確認

紫外線防止機能のあるサングラスをかけたときは、かけないときに比べて目に入る紫外線の量を90%もカットすることができます。紫外線防止効果は数値で表示されていま

すので、確認してみましょう。UVカット効果を示す指標は「紫外線カット率」と「紫外線透過率」の二種類があります。ほとんどのメガネ専門店の店頭には、この数値を確

認する測定器があるので、確かめてみるとよいでしょう。

ポイント①紫外線カット率とは?
紫外線をカットする割合を示していますので、数値が高いメガネを選びましょう。

ポイント②紫外線透過率とは?
紫外線を透過する割合を示しています。この場合は数値が低いメガネを選びましょう。

サングラスとどうちがうの?

 「紫外線カットメガネとサングラスとでは何が違うの?」と思った方もいるかもしれません。
通常の場合、黒や茶色など色の入ったカラーレンズを使ったメガネを「サングラス」、色の入っていない透明なクリアレンズを使ったメガネを「紫外線カットメガネ」と呼

んでいます。
 紫外線をカットする効果はレンズに色が入っているかいないかではなく、紫外線カット率(または紫外線透過率)に左右されますので、レンズの色はお好みで選んで大丈

夫です。色の濃いサングラスでも、紫外線を防ぐ効果がほとんどないものもあります。
 この他、度数の入った通常のクリアレンズに紫外線カット効果をプラスしたメガネもあります。ご自身の生活環境や仕事環境に応じていくつかを使い分けていくのがベス

トと言えるでしょう。