日焼けは肌に直接紫外線を浴びることで起きると思いがちですが、目に入る紫外線によっても日焼けすることを知っていましたか?紫外線が目から入ると、角膜、水晶体、網膜といった目の細胞がダメージを受けます。すると、脳が陽射しの強さを認識し、陽射しから体を守るためにメラニン色素を作るように全身に働きかけます。これによって肌の色が黒く、日焼けをした状態になります。そして、シミ、シワ、たるみの原因になるのです。
SPF値の高い日焼け止めクリームをちゃんと塗っていても日焼けするのはどうしてかな?と不思議に思っていましたが、原因は目にあったのかも?!
紫外線が肌に当たっていないのに日焼けする!
日焼けと言うと、紫外線が当たった部分だけが黒くなると思っていませんか?
紫外線が目に入るだけで肌が日焼けすると言う驚きの事実が分かったのは2001年のこと。大阪市立大学医学部の井上教授の研究チームがマウスを使った実験を行い、この結論を導き出しました。
②脳の下垂体に「体に有害な紫外線が来た」という情報が伝わります。
③その防衛反応として、「早くメラニン色素を作れ」と指示が出されます。
④メラノサイトでメラニン色素が生成され、
⑤皮膚が黒くなります。
また、紫外線は不可視光線(電磁波)の一種で、これが目に入ると角膜に細かな炎症を起こします。この炎症の刺激はすぐに脳に伝わり、メラニン色素生成の指示を出すということも分かりました。
つまり、長袖に長ズボンで全身をくまなくガードしていても、目をガードしていないと、紫外線が当たっていないはずの肌が日焼けしてしまうという言う事態が起こるのです!これは驚きですよね。
肌の美白のためには、SPF値の高い日焼け止めを塗るだけではなく、UVカット効果のあるサングラスでしっかり目をガードすることも必要だということを、もっとたくさんの皆さんに知っていただきたいなと思います。
紫外線は年々増えている!
実は、オーストラリアでは小学生のうちから、外出時のサングラス着用を義務付けることで、子供たちの目を紫外線から守っています。その理由は、オーストラリアは南半球にあり、オゾン層の破壊の影響をまともに受け、紫外線の照射量が年々増加しているのだとか。
また、瞳の色が黒い日本人に比べると、茶色や青い瞳をしている白人は、メラニン色素が薄いため、日本人の二倍近く光をまぶしく感じるそうです。瞳の色は、目の中にどれほど光が入ってくるかで、その量を調節する光彩の色。光彩の色はメラニン色素の色によって決まります。メラニン色素が濃いとアジア人のように黒い瞳に。色素が薄いと、青や茶色の瞳に。
メラニン色素はシミの原因になる悪いヤツと思いがちですが、実は、肌や目を紫外線から守るボディガードとしての働きがあります。メラニンが少ない(瞳の色が青や茶色といった薄い色をしている)人は紫外線の刺激に弱いのですから、普段からサングラスが手放せないのです。
その頭痛の原因は、紫外線!?
若い頃はそうでもなかったんですが、ここ数年は、天気のいい日に2時間も日光を浴びると、ひどい頭痛がします。日射病かとも思ったのですが、気温の低い冬でも、太陽を浴びるとやっぱり頭痛がして。今では、お日様を浴びることが分かっている日にはあらかじめ頭痛薬を飲んでサングラスをして行かないと、翌日も一日中ガンガンと頭が痛いのです。
調べてみると、この頭痛の原因は紫外線。紫外線による頭痛は3つのタイプがあります。ちなみに私は①のタイプ。サングラスと帽子は手放せません。
- 頭痛
- 偏頭痛が起きる原因はいくつかあり、そのひとつが紫外線です。紫外線が目から入ると、脳に信号が送られ、脳の血管が急に拡張し、ズキズキと痛み出します。頭痛だけでなく、吐き気、めまい、肩の痛みや耳鳴りなどが出ることもあります。
- 紫外線アレルギー
- 日光に当たると頭痛と同時に肌がかゆくなるという場合は「日光アレルギー」の可能性があります。かゆみの他にも吐き気、めまい、腹痛、下痢といった体調不良が出ることも。「紫外線アレルギー」、「日光過敏症」とも呼ばれます。紫外線が当たることで、体が攻撃を受けていると脳が認識し、防衛反応として免疫作用が過剰に出てしまうのが原因です。
- 眼精疲労
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眼精疲労は長時間パソコンに向かっているときなど、まばたきが極端に少なくなると起きやすいのですが、明るい日光の刺激によって起こることも。水上や雪上のように光の反射が多い場所にいる人や、目の色素が薄くて光の刺激に弱い人がなりやすいと言われています。頭痛以外にも目のかすみや充血、めまい、吐き気、胃痛、腰痛、肩痛のような症状が出ることもあります。
※ 対策→屋外にいるときは直射日光が当たらないように必ず帽子やサングラスを。屋内にいるときはカーテンやブラインドを使って目に入る光を軽減しましょう。また、疲れ目を起こさないようにコンタクトレンズやメガネのチェックも必要。目薬をする、適度な休憩をするなど、目を疲れさせない工夫も取り入れましょう。
※対策→症状が出てしまったら、光や音などの刺激の少ない環境で静かに休みましょう。横になることができればベスト。少しでも日に当たると必ず症状が出ることが続く場合には、病院で予防薬(頓服薬)を処方してもらいましょう。私は、2時間以上太陽に当たることが分かっているときには、あらかじめ市販の頭痛薬を飲んでおきます。子どもの運動会、サッカーの試合の応援、主人とのハイキングのときなど、それによって何とか頑張れるようになりました。
※対策→まず、皮膚科かアレルギー科を受診して相談しましょう。日常的に日傘、帽子、サングラスを使って、可能な限り日光に当たらないようにします。日光に当たることが分かっている場合は、前日に睡眠を十分に取るといった生活習慣の見直しも必要です。